

簡単に説明して。
そんな悩みを解決します。
☑️ 本記事の内容
◯ グリコーゲンとは
◯ グリコーゲンの蓄積量
◯ グリコーゲンの活用のされ方
☑️ 当記事の信頼性

@steep35808479)
この記事を書いている私は、医学系大学院修士課程に進学し、学生時代と変わらない体型を維持して7年になるダイエットブロガーです。
短期的に体重を落とすこと、長期的に体重を維持することを目標に生活習慣を見直し、BMIを20-22の範囲でコントロールしています。
実際の経験と客観的なデータを元に、網羅的に、継続性・再現性のある方法を模索しています。
今回の内容は「グリコーゲンについて」です。
グリコーゲンってなに?
糖質と違うの?
スポーツや筋トレをしている人だと、一度は聞いたことのあるワードではないでしょうか。
グリコーゲンの理解は非常に重要です。
生化学の専門的な内容になりますが、カラダの中の変化の流れがわかれば、理解するのにそんなに難しくありません。
「雑学」感覚で、理解を深めてもらえれば幸いです。
それではよろしくお願いします。
Contents
簡単に説明|グリコーゲンとは

グリコーゲンとは、細胞内に貯蔵される燃料源であり、心筋細胞の体積の2%、骨格筋細胞の1-2%、肝細胞の体積の5-6%に蓄えられています。

炭水化物に含まれる「糖質」は、体内では「グリコーゲン」という形になって体内に蓄積されます。
炭水化物の体内での流れ
炭水化物→糖質と食物繊維に分解→糖質は小腸から吸収され「グルコース」へ
グルコースは血中を移動してグリコーゲンに変化し肝臓・筋肉へ
貯蔵したグリコーゲンは必要時分解してグルコースへ
グルコースはエネルギー源としてATPを産生し、燃える
グルコースはグリコーゲンを分解した際に放出される物質で、エネルギー供給の最終形です。
必要分は「グルコース」に分解され、血中を流れて各臓器にエネルギー源として供給します。
もう1度復習です。
グリコーゲン分解の流れ
筋肉・肝臓内グリコーゲン→血中グルコース→各臓器に供給
口から入った炭水化物→炭水化物が糖質と食物繊維に分解→小腸で糖質が血中に吸収→肝臓・筋肉へ貯蔵、余剰分は脂肪細胞へ
グリコーゲンとして体内に蓄える際は「水分」も一緒に蓄えます。
アスリートが体内に糖質を蓄える際は体重の「増加」を招きます。
反対に食事制限のような急激な体重の減少は、グリコーゲンの放出とともに水分子も尿中に排出されるため、体重が「減少」します。

グリコーゲンの最適な貯蔵量とは|簡単に説明

低活動者の場合、グリコーゲン摂取の許容量は1日当たり130gとされています。
アスリートの場合、体重1kg当たり8-12gの炭水化物が必要とされていますが、実際は「足りない」のが現状のようです。

480-720gの炭水化物の場合、カロリー換算だと1920-2880kcalほど。
茶碗1杯が240kcalとされているので、8-21杯は食べる計算になります。

全身のグリコーゲン含有量は、約600g。


肝臓と筋肉のグリコーゲン量
肝臓:80g(0-160g)
筋肉:500g(300-700g)
*平均がそれぞれ80g、500gで、カッコ内は正常範囲を示します。
肝臓に貯蔵されるグリコーゲンは、随時血中に分解しています。
血中に流れるブドウ糖の量は3-4gほど。
肝臓に貯蔵されているグリコーゲンが枯渇すると、「糖新生」を起こし、脂肪細胞を分解して血中グルコース量を一定に保ちます。

脂肪酸化を引き起こし、通常のエネルギー供給より「効率的」とされています。
ただ、この場合のグルコース生成速度は遅いため、要注意。
ケトジェニック中はパフォーマンスアップの効果は乏しく、なぜかは検討段階ですが、原因の1つと考えられています。
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医学修士生が解説|ケトジェニックと有酸素運動について
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グリコーゲンの活用のされ方

ヒトはさまざまな強度で、また持続的な運動中の筋肉の収縮を維持するために、「ATP」の供給を必要とします。
炭水化物が筋肉を働かせる重要な栄養素とわかったのは、1920年代。
「血糖値の低下がマラソンの倦怠感につながっている」と気づいたのがきっかけです。
「マラソン前に炭水化物の摂取を増やし、レース中に飴玉を付与することで、脱力感や倦怠感が防ぐことができた」とされています。
グリコーゲンが発見されたのが1858年。
生検で「筋グリコーゲン」が確立されたのが1960年代です。
その後、グリコーゲンの貯蔵がパフォーマンスアップに繋がること、運動後の回復を促進することが明らかになりました。
ATPは、血液内グルコースと、筋肉内グリコーゲンが分解され血中に放出されたグルコースとともに、脂肪酸の酸化によって生成されます。
安静時でも約10億個のATP分子が含まれ、2分子ずつ使用・交換されており、トレーニング中はこれが1000倍に増加する可能性があるとされています。
安静時は血中の60%のブドウ糖が脳で代謝されています。

ちなみに「激しい運動」をした際でも、グリコーゲン量は初期値の10%を超える低下は見込めません。
また、基本的に血中のグルコース量は一定に保たれますが、「筋トレ中」は血中グルコースの取り込みが低下するため、返って血中グルコース量を保つ役割があります。
難しいことを長々説明しましたが、肝臓・筋肉に主に貯蔵されているグリコーゲンは、身体活動中に減少します。
活動が長いほど、激しいほど、グリコーゲン貯蔵割合と全体的な減少が大きくなります。
グリコーゲンは性別・年齢によって特徴があるか

性別の違いによる、グリコーゲンの再合成のされ方に違いはないようです。
しかし、年齢に関しては、マスターズアスリート(55歳以上)において、若年アスリートと比較し、筋肉の修復速度が遅いとされ、筋肉内グリコーゲン量の回復も遅いとされています。
余談ですが、運動後に摂取するタンパク質は、高齢者は35-40g程度の摂取が推奨されています。

まとめ|グリコーゲンを簡単に説明することは難しい

以上、「グリコーゲンを簡単に」説明していきました。
3大栄養素である炭水化物が体内で分解されるとグルコースとなり、それが肝臓や筋肉に「グリコーゲン」という形で貯蔵されているということ。
貯蔵されたグリコーゲンは、必要に応じて血中に「グルコース」に分解され栄養として全身を巡ること。
細かい数値は、述べた通りです。
炭水化物には「グリセミックインデックス:GI値」という重要なキーワードもあり、ダイエットをする際は特に気をつけなければいけません。
いづれにしても「アンダーカロリー」にすることは必須です。
今回の内容が参考になれば幸いです。
それでは!
Reference:
Bob Murray, Christine Rosenbloom. Fundamentals of glycogen metabolism for coaches and athletes. 2018