栄養

グリコーゲンとはなにか|なるべく簡単に解説

6月 12, 2021

悩んでいる人
グリコーゲンって何?

簡単に説明して。

 

そんな悩みを解決します。

 

☑️ 本記事の内容

◯ グリコーゲンとは

◯ グリコーゲンの蓄積量

◯ グリコーゲンの活用のされ方

 

☑️ 当記事の信頼性

 

この記事を書いている私は、医学系大学院修士課程に進学し、学生時代と変わらない体型を維持して7年になるダイエットブロガーです。
短期的に体重を落とすこと、長期的に体重を維持することを目標に生活習慣を見直し、BMIを20-22の範囲でコントロールしています。
実際の経験と客観的なデータを元に、網羅的に、継続性・再現性のある方法を模索しています。

今回の内容はグリコーゲンについてです。

 

グリコーゲンってなに?

質と違うの?

 

スポーツや筋トレをしている人だと、一度は聞いたことのあるワードではないでしょうか。

 

グリコーゲンの理解は非常に重要です。

 

生化学の専門的な内容になりますが、カラダの中の変化の流れがわかれば、理解するのにそんなに難しくありません。

 

「雑学」感覚で、理解を深めてもらえれば幸いです。

 

それではよろしくお願いします。

 

簡単に説明|グリコーゲンとは

グリコーゲンとは、細胞内に貯蔵される燃料源であり、心筋細胞の体積の2%、骨格筋細胞の1-2%、肝細胞の体積の5-6%に蓄えられています。

 

タツ
脳細胞、腎臓、赤血球、白血球、脂肪細胞にも微量貯蔵されています。

 

炭水化物に含まれる「糖質」は、体内では「グリコーゲン」という形になって体内に蓄積されます。

 

炭水化物の体内での流れ

炭水化物→糖質と食物繊維に分解→糖質は小腸から吸収され「グルコース」へ

グルコースは血中を移動してグリコーゲンに変化し肝臓・筋肉へ

貯蔵したグリコーゲンは必要時分解してグルコースへ

グルコースはエネルギー源としてATPを産生し、燃える

 

グルコースはグリコーゲンを分解した際に放出される物質で、エネルギー供給の最終形です。

 

必要分は「グルコース」に分解され、血中を流れて各臓器にエネルギー源として供給します。

 

もう1度復習です。

グリコーゲン分解の流れ

筋肉・肝臓内グリコーゲン→血中グルコース→各臓器に供給

口から入った炭水化物→炭水化物が糖質と食物繊維に分解→小腸で糖質が血中に吸収→肝臓・筋肉へ貯蔵、余剰分は脂肪細胞へ

 

グリコーゲンとして体内に蓄える際は「水分」も一緒に蓄えます。

 

アスリートが体内に糖質を蓄える際は体重の「増加」を招きます。

 

反対に事制限のような急激な体重の減少は、グリコーゲンの放出とともに水分子も尿中に排出されため、体重が「減少」します。

 

タツ
ダイエットを始めて「数日で体重が減った」とか、食べすぎて「急に体重が増えた」などは、これらの要因が関係しています。

 

グリコーゲンの最適な貯蔵量とは|簡単に説明

低活動者の場合、グリコーゲン摂取の許容量は1日当たり130gとされています。

 

アスリートの場合、体重1kg当たり8-12gの炭水化物が必要とされていますが、実際は「足りない」のが現状のようです。

 

タツ
8-12gとなると、体重60kgの人の場合だと、480g-720gの炭水化物が必要となります。

 

480-720gの炭水化物の場合、カロリー換算だと1920-2880kcalほど。

 

茶碗1杯が240kcalとされているので、8-21杯は食べる計算になります。

 

タツ
すぐ太りそうですね。。

 

全身のグリコーゲン含有量は、約600g。

 

タツ
これは、体重・食事・フィットネスレベル・直近の運動量によって異なります。

 

タツ
肝臓と筋肉のグリコーゲン貯蔵量は以下の通り。

 

肝臓と筋肉のグリコーゲン量

肝臓:80g(0-160g)

筋肉:500g(300-700g)

*平均がそれぞれ80g、500gで、カッコ内は正常範囲を示します。

 

肝臓に貯蔵されるグリコーゲンは、随時血中に分解しています。

 

血中に流れるブドウ糖の量は3-4gほど。

 

肝臓に貯蔵されているグリコーゲンが枯渇すると、「糖新生」を起こし、脂肪細胞を分解して血中グルコース量を一定に保ちます。

 

タツ
ケトジェニックダイエットはこの状態を活用したダイエット方法です。

 

脂肪酸化を引き起こし、通常のエネルギー供給より「効率的」とされています。

 

ただ、この場合のグルコース生成速度は遅いため、要注意。

 

ケトジェニック中はパフォーマンスアップの効果は乏しく、なぜかは検討段階ですが、原因の1つと考えられています。

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グリコーゲンの活用のされ方

ヒトはさまざまな強度で、また持続的な運動中の筋肉の収縮を維持するために、「ATP」の供給を必要とします。

 

炭水化物が筋肉を働かせる重要な栄養素とわかったのは、1920年代。

 

「血糖値の低下がマラソンの倦怠感につながっている」と気づいたのがきっかけです。

 

「マラソン前に炭水化物の摂取を増やし、レース中に飴玉を付与することで、脱力感や倦怠感が防ぐことができた」とされています。

 

グリコーゲンが発見されたのが1858年。

 

生検で「筋グリコーゲン」が確立されたのが1960年代です。

 

その後、グリコーゲンの貯蔵がパフォーマンスアップに繋がること、運動後の回復を促進することが明らかになりました。

 

ATPは、血液内グルコースと、筋肉内グリコーゲンが分解され血中に放出されたグルコースとともに、脂肪酸の酸化によって生成されます。

 

安静時でも約10億個のATP分子が含まれ、2分子ずつ使用・交換されており、トレーニング中はこれが1000倍に増加する可能性があるとされています。

 

安静時は血中の60%のブドウ糖が脳で代謝されています。

 

タツ
脳への供給は安静時でも運動時でも必須であり、低活動者でも必要な130gは、ここからきています。

 

ちなみに「激しい運動」をした際でも、グリコーゲン量は初期値の10%を超える低下は見込めません。

 

また、基本的に血中のグルコース量は一定に保たれますが、「筋トレ中」は血中グルコースの取り込みが低下するため、返って血中グルコース量を保つ役割があります。

 

難しいことを長々説明しましたが、肝臓・筋肉に主に貯蔵されているグリコーゲンは、身体活動中に減少します。

 

活動が長いほど、激しいほど、グリコーゲン貯蔵割合と全体的な減少が大きくなります。

 

グリコーゲンは性別・年齢によって特徴があるか

性別の違いによる、グリコーゲンの再合成のされ方に違いはないようです。

 

しかし、年齢に関しては、マスターズアスリート(55歳以上)において、若年アスリートと比較し、筋肉の修復速度が遅いとされ、筋肉内グリコーゲン量の回復も遅いとされています。

 

余談ですが、運動後に摂取するタンパク質は、高齢者は35-40g程度の摂取が推奨されています。

 

タツ
高齢者でも運動により筋肉がつくと言われていますが、栄養も含めて考える必要があるんですね。

 

まとめ|グリコーゲンを簡単に説明することは難しい

以上、「グリコーゲンを簡単に」説明していきました。

 

3大栄養素である炭水化物が体内で分解されるとグルコースとなり、それが肝臓や筋肉に「グリコーゲン」という形で貯蔵されているということ。

 

貯蔵されたグリコーゲンは、必要に応じて血中に「グルコース」に分解され栄養として全身を巡ること。

 

細かい数値は、述べた通りです。

 

炭水化物には「グリセミックインデックス:GI値」という重要なキーワードもあり、ダイエットをする際は特に気をつけなければいけません。

 

いづれにしても「アンダーカロリー」にすることは必須です。

 

今回の内容が参考になれば幸いです。

 

それでは!

 

Reference:

Bob Murray, Christine Rosenbloom. Fundamentals of glycogen metabolism for coaches and athletes. 2018

 

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