

ケトーシスの状態とは、体内で遊離脂肪酸が血液を流れ、肝臓でケトン体を生成し、ほぼ全ての細胞に燃料を提供している状態です。
☑️ プロフィール

国内・海外の論文を下に減量について考える個人ブログを運営。
腹を出さずに9年になるダイエットブロガーです。
これまで多くの減量方法を実践、試行錯誤し、20代にあった腹を出す心配がなくなりました。
冒頭から難しい説明になってしまい、スミマセン。
1963年、有名な医学雑誌ランセットで、「正常な体内では器質代謝は柔軟で、様々な燃料源を利用してヒトは進化してきた」とランドル博士が述べました。
体内の糖質を切り、血糖値と肝臓のグリコーゲンが最小限に抑えられた際に、通常と異なる代謝経路でエネルギーを誘発するのがケトーシスの状態です。
ダイエットを始めると「食事」が大切であることがわかり、そうなるとどのような食事法があるのかと調べると、実に様々な方法があることを知ることになります。
そのうちの1つが「ケトジェニック」であり、ダイエット中でもお肉が食べられるというキャッチーな食事方法。
糖質を切ることで異なる代謝経路を使い、体内の脂肪を燃やしていくやり方です。
この状態が「ケトーシスの状態」であり、「ケトン体」とか「ケトーシス」なんて言葉を知るきっかけになります。
冒頭が長くなってしまいましたが、今回の内容で
「昨今の肥満の現状」
「ケトーシスの状態とはどんな時なのか」
深堀し、説明します。
専門用語はなるべく使わず噛み砕いて説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
ケトーシスの状態説明の前に|昨今の肥満の現状をおさらい
肥満・それに関わるメタボリックシンドロームは現在増加の一途を辿っています。
世界的にみて、1975年の3倍近くになっており、2016年のWHOの統計では「太り過ぎが39%、肥満が13%」を超えていると報告しました。
太り過ぎ・肥満の定義
メタボの診断基準
A:腹囲
男性≧85cm、女性≧90cm
*内臓脂肪が≧100cm2に相当
B:以下の3項目のうち2項目以上該当
①脂質:TG(トリグリセリド)≧150mg/dl かつ/または HDL<40mg/dl
②血圧:収縮期血圧≧130mmHg かつ/または 拡張期血圧≧85mmHg
③血糖:空腹時血糖≧110mg/dl
メタボは、糖尿病のリスクを5倍に高め、心臓病、脳血管疾患などのリスクを2倍に高める、「高炎症状態」であることが指摘される状態です。
BMIが最も簡便に体脂肪量を推定する指標の1つですが、その内訳は筋肉なのか、脂肪なにか、詳細には分かりません。
そこでメタボの診断基準を用いて、詳細にカラダの中の状態を確かめ、健康状態がどのようか、確かめていきます。

これまで「肥満は遺伝」と認識されていましたが、現在は「生活環境」の関与が着目されています。
食習慣の変化
運動不足
両者が相まって「太る」とされているのです。
第一印象が良い悪い以上に、自己のカラダを点検し、メスを入れる必要があります。
昨今の肥満の現状についてはここまで。
次に、ケトーシスについて深堀していきます。
ケトーシスの状態とは
ケトジェニックがなぜダイエットで注目されるようになったのか。
それは、メタボの診断に用いられる「肥満」「高トリグリセリド」「低HDLコレステロール」「高血圧」「空腹時血糖」は全て炭水化物制限によって改善されるからです。
食品供給の工業化、グローバル化により、我々は「砂糖」や「炭水化物」を加工した食品を過剰に摂取しています。
炭水化物をカットすることで「インスリン」の分泌を低いレベルで安定させ、脂肪の蓄積を抑え、太りすぎ・肥満に至るサイクルを断ち切ることができるのです。
糖質を摂ると血糖値が追随して上がるけど、血糖値を一定の値にするために分泌されるのが「インスリン」。
過剰な糖質摂取でインスリンがたくさん出ると、血糖値は下がる分、脂肪に置き換わる。
反対に、糖質量を抑えれば、インスリンも分泌しなくて済み、脂肪変換が緩やかになる。

この一連の過程が現在「過剰」なワケです。
そこで出てくるのが「ケトン体」。
糖質の摂取量を抑えると、今度は反対に「体内の脂肪が分解され、遊離脂肪酸となって血中を流れ、肝臓でケトン体生成に利用されます」。
ケトン体とは
脂肪酸から肝臓で生成される水溶性分子。
体内のほぼ全ての細胞に燃料供給をすることが可能。
肥満に至るまでの一連のプロセスと、体脂肪が使われる一連のプロセス、お分かりになりましたか?
体内のグリコーゲン(筋肉と肝臓に貯蔵されています)と血液中の糖質(血糖値)が最小になった時、ヒトは体脂肪を分解してエネルギーとして利用するのです。
ある一定のレベルに達すると「ケトーシス」となります。
ケトーシスの状態って最強?
遊離脂肪酸を血中に流して肝臓でケトン体を生成し、体内に必要なエネルギーを供給する過程がケトーシスですが、ケトンはカラダが必要とするATP(エネルギー分子)の最大60%を供給することが可能とされています。
さらに、血液脳関門を通過することができ、脳の唯一のエネルギーである「糖質」に変わってエネルギー源として使われます。
必要分の2/3以上、ケトンから供給できることがわかっています。

ただ、100%でないから注意が必要。

血圧や血糖値の改善には効果的ですが、日々の生活で実践するにはそれなりに負担がかかる。
一見、ケトーシス状態になれば「体内の余分な脂肪が全て燃える!」と思ってしまいますが、実際はそれほど上手く日常で使うことができない経路と言えそうです。
次に、ケトーシスの状態になるためにはどうしたら良いか、解説します。
ケトーシスの状態になるためには
これまでの話を踏まえると以下のことがわかります。
ケトーシスになるには
日々の食事で糖質摂取量を抑え、体脂肪を使う燃焼サイクルにすることでケトーシス状態になれる
従って、ケトーシスの状態になるには「食事」に気を遣うこと。
ケトーシスの状態になるには、炭水化物の量を抑えた食事を続けることです。
ケトーシス状態にするために食事
1日当たりの糖質量を20-50mgに制限する
上記の量で、血中ケトン体レベルが0.5-3mg/dlになり、脂肪分解が促進されます。

以前、ケトジェニックダイエットをした際の具体的な食事パターンを考えたことがあります。
ケト中の食事パターン
この食事を見ると、「ダイエット中なのにステーキ肉が食べられるなんて最高だ」と感じる反面、「ご飯の量が少ないな」と感じますね。
高タンパクにして筋肉量を維持すること
脂質を入れて満腹感を得ること
ただ、繰り返しになりますが「挫折しやすさ」が特徴の1つのため、実践する際はご注意を。
また、ケトジェニックダイエットを始めても数日は体内の糖質が切れません。
目安としておよそ3日ほど。
3日ほど低炭水化物食を続けることで「ケトーシス状態」となり、脂肪分解が加速してきます。
月曜から始めたら火曜→水曜まで頑張って、ケトーシスonといったイメージですね。
体内でのエネルギー生成が「糖質依存」→「脂質依存」に変化し、ケトーシス後は適宜脂質を摂取していきます。

期間や糖質摂取量に関しては、ダイエットの目標値と総カロリー摂取量によっても変わってくるため、参考程度に。

ケトジェニックに限りませんが「減量」フェーズにおいては1日、2日で完結されるものでなく、「ある程度期間を設けること」が必要です。
ダイエット中もお肉を食べたい
空腹感がとにかく辛い
そういったヒトは、ケトジェニックを利用するのは最適かもしれません。
まとめ|ケトーシスの状態を知って体内メンテナンスを行おう
ダイエットで「低糖質」と「低炭水化物」、どちらが良いかについては、議論真っ只中です。
しかし、いづれの方法においても「適切なカロリー管理」「栄養バランス」を考慮することで、適正体重の維持、健康状態を保つことができます。
医療も発達して治療薬が次々と開発されていますが、内服による「副作用」がない訳でもありません。
薬以外で改善可能なことがあれば、そちらを頑張るのは最良の選択です。
大切なことは「適切な食事管理」と「適度な運動」です。
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ダイエットアイテムに傾倒する前に、まずは無難に「王道」を歩みましょう。
それでは!
Reference:
Victora M. Gershni, Nutritional Ketosis for Weight Management and Reversal of Metabolic Syndrome. 2019