
本記事では、パフォーマンスアップに欠かせない、筋力強化のメカニズムについて解説していきます。
身体作りが趣味で、高校生の時と社会人になってから、それぞれジムへ通いトレーニングを実践し、その効果を実感してきました。
医学修士を取得し、科学的根拠も加え、シンプルにまとめました。
3分で読める内容です。是非最後までお読みください。
Contents
筋力強化のメカニズム
筋力強化、筋力アップは
筋トレをハードにこなす
タンパク質を適切に摂取する
しっかり休ませる
この繰り返しが大原則です。
すぐに筋肉が付くことはなく、何日もジムに通ったり、自宅でやるのであればその為のトレーニング環境を整える必要があります。
「1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月...と長い目で見て成果を実感する。」
まさに王道で、筋力強化は地道に続けることが必要になります。
でも、折角続けるなら、効率よく成果を手に入れたいですし、そのためにどのようなやり方が最良か...しっかりと理解して取り組み、同じ期間でも1番の効果が期待できるやり方を実践していきましょう!
様々な角度から、研究結果を整理しました。
これまでに分かっている筋力強化の原則
筋力強化には、以下の3つの重要なファクターが必要です。
筋肥大に必須のファクター
①mechanical tension(機械的緊張)
②metabolic stress(代謝ストレス)
③muscle damage(筋損傷)
Reference:Schoenfeld B.J. The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training. 2010
専門用語を並べてすみません。
これらをうまく考慮しながらメニューを考える必要があります。
順番に噛み砕いてわかりやすく解説します。
筋力強化のメカニズム|その① 機械的緊張
これは、言葉だとわかりにくいですが、筋肉にかける負荷量のことです。
負荷量については、以下のように考えます。
「10回持ち上げるのが精一杯の強度で、3セット実施する」
各運動メニューにおける、1回しか持ち上げ上げられない強度をその運動の最大強度と呼び、「1RM」と言います。
「1RM?」
「1 repetition maximum」と書き、例えばベンチプレスという種目において、「50kgは1回しか上がらない」となれば、ベンチプレスの1RMは50kgになります。
1RMを基準に、60-80%の負荷量、1RMの30%の負荷量などといい、運動負荷量を計算・設定していきます。
通常、筋力強化に最適な機械的緊張は、8-10RMの負荷量で、2-3セットが理想とされています。
*8-10RM:8-10回上げるのが精一杯の負荷量
最低限この機械的緊張がないと、筋肥大は望めまないというのが現在の基本的な考え方です。

ポイント
機械的緊張とは、運動負荷量のこと。筋力強化には8-10RMで2-3セットの機械的緊張が必要。
筋力強化のメカニズム|その② 代謝ストレス
2つ目の筋力強化のメカニズムは「代謝ストレス」です。
これは、トレーニングを開始して、2セット、3セットと繰り返した際の、セット間の休息時間のことです。
休息時間は1分が理想で、代謝ストレスは高く、逆に5分、10分と開けてしまえば代謝ストレスは低い、となります。
先ほど、2-3セットが必要と言いました。

筋トレを開始したら黙々とやることが望まれます。
ポイント
代謝ストレスとは、セット間の休息時間のこと。理想は1分以内。
筋力強化のメカニズム|その③ 筋損傷
これはその名の通りで、しっかり筋肉に負担がかけられれば疲労していきます。
初期の頃や慣れないことをすると筋肉痛がきます。
これは筋損傷が生じている証拠の1つです。
しっかり筋損傷をさせないと筋肥大は見込めません。
筋損傷を起こすためには、①機械的緊張をしっかり与えること②代謝ストレスをかけることがキーファクターです。
筋損傷させて、栄養が入って時間が経ち、元に戻るその時に、肥大して戻る流れがあります。
この3つを最大化させることが重要です。
各々で実情を評価し、適切なメニューを立てる必要があります。
筋トレの効果を最大化させるための具体例
筋トレ初心者や既にトレーニングを実際に行っている人に向けて、具体例を提示します。
筋肥大を見込むトレーニングの場合は、
「最大負荷もしくは90%の負荷で、反復回数1〜5回→休息1分で3セット」
「70〜85%の負荷で,6〜12回→休息1〜3分で3セット」
この負荷量を目指しましょう。
繰り返しになりますが、1回反復可能な負荷量は「1RM」で「100%」です。
過去の研究から、2回反復可能=95%、3-4回反復可能=90%、8-10回反復可能=80%、12-15回反復可能=70%という相関関係が示されています。
現実的に、1RMの負荷でトレーニングは難しいです。ケガのリスクも上がります。
10回反復してやっとの負荷で(mechanical tension)、休息を1分にとどめて(metabolic stress)、筋損傷(muscle damage)を起こす。
トレーニング後は、回復のための栄養を摂取して、筋肥大の最大化を図ります。
トレーニング中の注意点は以上の3つの流れを意識すれば十分です。
ポイント
10回反復してやっとの負荷で(mechanical tension)、休息を1分にとどめて(metabolic stress)、筋損傷(muscle damage)を起こす。
まとめ|原理原則を踏まえ、筋トレ効果を最大化させよう
筋力強化のメカニズムとして、筋肥大にフォーカスを向けて解説しました。
トレーニングの原則はその他に工夫できることがたくさんあります。
筋力をつける際は「大きな筋肉からがオススメ」です。
大きな筋肉から鍛え徐々に細部に、という流れを作るのが大切です。
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また、筋肉は糖質(筋グリコーゲン)を蓄えるので、筋肥大が進めば食べた糖質が脂肪になりにくくなります。
太りにくい身体作りとしても、大きな筋肉をつけるのは効率が良いわけです。
リンク記事もぜひ参考にしてくださいね。
それでは!
Reference:
Schoenfeld B.J. The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training. 2010