栄養

医学修士生が考察|筋トレとアルコール摂取の適切な時間について

悩んでいる人
筋トレはアルコールを摂取してからどのくらい時間経てばいいの?

 

そんな悩みを解決します。

 

☑️ 本記事の内容

◯ アルコールの適量

◯ 筋トレとアルコールの関係

◯ 筆者が思うこと

 

☑️ プロフィール

国内・海外の論文を元に減量について考える個人ブログを運営。

腹を出さずに8年になるダイエットブロガーです。

これまで多くの減量方法を実践、試行錯誤し、20代にあった腹を出す心配がなくなりました。

 

今回の内容は筋トレとアルコールの時間について解説します。

 

「アルコールを摂取してから、筋トレはどのくらい経ってから開始すれば良いの?」

「アルコールの量にもよるよな。」

 

アルコールが筋トレに与える影響はどのようなものでしょうか。

 

科学的データを用いながら、最適な時間を考えてみましたので、ぜひ最後までお読みください。

 

それではよろしくお願いします。

 

筋トレとアルコールの関係性|アルコールの適量とは

筋トレとアルコールの話をする前に、アルコール摂取がカラダに与える影響を見ていきます。

 

上のグラフは、一日の平均アルコール消費量と死亡率の関係です。

 

欧米人を対象とした解析において、男女とも1日平均19gまでの飲酒者の方が、非飲酒者よりも死亡リスクが低くなっています。

 

タツ
19gの範囲は以下の通り。
出典:ASAHIホームページ

日本人を対象とした研究もされており、40-79歳の男女約11万人を9-11年間追跡した疫学研究では、23g未満で最も死亡率が下がる結果が出ています。

 

欧米データと同様、禁酒者よりも少し飲む人の方が良いようです。

 

お酒とは適切な距離感を保つことで、健康にも良い影響を与えるということですね。

 

身体的のみならず、社会的なメリット(生活を豊かにする、コミュニケーションツールになる)も示唆されているため、我慢して断酒する必要はないと感じます。

 

では、次に実際の筋トレへの影響について考えていきます。

 

筋トレとアルコール、時間の関係性

体重60kgのヒトが20gの純アルコール(お酒)を30分以内に飲んだ場合、アルコールは約3-4時間体内に留まり、40gの場合は体内から消失するのに6-7時間かかります。

 

個人差があるためあくまで目安ですが、体質的にお酒に弱い人や、女性ではもっと長い時間がかかるとされています。

 

タツ
二日酔いは、深夜まで飲み続けて、翌朝にも体内にアルコールが残っている状態です。

 

前日のアルコール摂取が運動に与える影響に関する調査では、朝の筋力、倦怠感、パフォーマンスを見た際、筋力には影響がなかったとされています。

 

前日の飲酒とパフォーマンス

筋力検査(上腕二頭筋):差がなし

垂直跳び検査:差がなし

エルゴメーターテスト:有意差あり

 

除脂肪体重分のエタノール(×1.09g)を前日に摂取した群と、同量の水を摂取した群での比較ですが、筋力には影響が出なかったものの、エルゴメーターテストでは差が認められ、疲労までの時間がエタノール条件群では短くなったとされています。

 

「筋力自体は発揮することができるんだ」

「前日の飲酒は、持久系をやる際は注意が必要そう」

 

12名の健常者を対象にした研究のため、これだけで結論づけることは難しいですが、傾向として捉えておくと良いでしょう。

 

他の研究では、約10時間の絶食後、エタノールを注入して中等度の強度でサイクリング運動を実施すると、骨格筋の代謝はアルコールに依存せず、エタノール非注入時と同様であったとされています。

 

アルコールは摂取すると他の器質代謝(糖質や脂質)よりも優先されるといわれていますが、運動前のアルコール摂取の有無に関わらず、運動中のエネルギー代謝は筋グリコーゲンが活用されていたようです。

 

筋トレとアルコールの時間における考え方

「飲酒×トレーニング」

 

明確な解が出ない中、今回のテーマに照らして思う私の見解はこちら↓

筋トレ×アルコール

アルコール摂取が禁忌ではない

深酒はしない

栄養摂取をきちんとする

 

前日のアルコール摂取で筋力発揮に影響がなかったことを考慮すると、アルコールを摂取しても、筋トレ時、しっかり負荷はかけることができることが想定されます。

 

となれば、筋トレをしてその分の休息機会や栄養摂取をきちんと行えば、筋肉は強く、大きくなることが期待できるでしょう。

 

ただ、深酒の影響で筋トレ時、集中力が湧かない、気持ち悪いといった状況では、話は変わります。

 

キチッと負荷がかけられないと筋線維の破壊が生じにくくなり、筋トレの効果が低下するためです。

 

タツ
筋トレの大原則、まずは筋トレ自体の質を高く、限界突破で最大強度をかけることが重要です。

 

お酒そのものには栄養が含まれていませんが、カロリーは所持しています。

 

エンプティーカロリーと呼ばれるもので、1g当たり7kcalです。

 

アルコールを摂取するとそれまでエネルギー生成していた糖質・脂質代謝に変化を起こし、「優先的に」アルコールで摂取したカロリーを消費するようになるとされています。

 

今回引用した研究では、「運動中においてはアルコール摂取による代謝方法の変化はない」と示されているわけですが、休息時は必要なタイミングでタンパク質を行き渡らせ、バルクアップor減量などの目的に応じてカロリー管理をしなければなりません。

 

筋トレの効果を最大化させるために、必要な炭水化物・タンパク質・脂質を規定量しっかり摂取する必要があります。

 

栄養バランスは体格や性別などによってかなり明確に規定されており、そこに「アルコール」が含まれていないため、本気で筋トレの効果を得たいなら注意が必要。

 

タツ
筋トレ習慣の確立には、ガチッと定められた規定に乗っかるのも大切ですが、ガイドラインで示された数値をうまく汲み取りながら、継続できるように自己の中で落とし込む能力が必要になります。

 

アルコールは社会生活で重要な役割を果たします。

 

健康にも、重要な効果を発揮します。

 

ストレスを軽減し、QOLを向上させる効果があります。

 

バランスをとりながら、程よい距離感を保つ心がけを持ちましょう。

 

まとめ|筋トレとアルコールの時間は神経質になるな

以上、「筋トレとアルコールの時間」について解説しました。

 

「アルコールを摂取したから筋トレしてはいけない」

 

でなく、トレーニングの目的、時期に応じて適量を摂取する意識づけをしていきましょう。

 

お酒を楽しみにながらトレーニングに励むヒトも沢山います。

 

今回提示した適量を意識しながら、生活習慣自体が良い方向に向くと良いですね。

 

それでは!

 

Reference:

e-ヘルスネット|飲酒とJカーブ

人とお酒のイイ関係 ーほどよく、楽しく、いいお酒ー|ASAHIホームページ

アルコール健康医学協会ホームページ

Alex G Shaw, et al., Effect of Previous-Day Alcohol Ingestion on Muscle Function and Performance of Severe-Intensity Exercise. 2021

Harry A Smith, et al., Muscle Glycogen Utilization during Exercise after Ingestion of Alcohol. 2021 

 

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