有酸素運動 運動

医学修士生が解説|ケトジェニックと有酸素運動について

10月 27, 2020

悩んでいる人
ケトジェニックと有酸素運動の相性は?ケトジェニック中の有酸素運動の方法は?

 

そんな悩みを解決します。

 

☑️ 本記事の内容

◯ ケトジェニックダイエットとは
◯ ケトジェニック中の有酸素運動のメリット
◯ ケトジェニック中の有酸素運動のデメリット
◯ ケトジェニック中の有酸素運動のやり方

 

☑️ 当記事の信頼性

この記事を書いている私は、医学系大学院に進学したダイエットブロガーです。

生化学や運動生理学など、ダイエットに関連する知識をまとめています。

試行錯誤を重ね、生活習慣を見直し、学生時代と変わらない体重を維持して9年になりました。

 

今回の記事では、ケトジェニックと有酸素運動の関係について解説していきます。

 

「脂肪燃焼効果を高めるケトジェニックだけど、有酸素運動との相性はどうなんだろう?」

「ケトジェニックってそもそも何?」

 

そんな疑問に触れつつ、ケトジェニックの具体的な栄養バランス、有酸素運動の取り入れ方についてまとめています。

 

ポイントを絞って数値を示しながらまとめましたので、是非最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

 

それではよろしくお願いします。

 

ケトジェニックダイエットとは

 

ケトジェニックダイエットとは、体重を減らすため、または運動パフォーマンスを向上させるための栄養介入・サプリメト戦略の1つです。

 

「低炭水化物」「高脂質」を特徴とし、1日の摂取カロリーの80%を脂質から摂取し、15%をタンパク質、残りの5%を炭水化物から摂取する食事方法です。

 

1日に必要とされるエネルギー量の目安は以下の通り。

 

1日に必要なエネルギー量の目安

男性:2000-3000kcal

女性:1400-2400kcal

ー農林水産省ホームページより

 

活動量に応じてある程度の幅を持っています。

 

男性→2500kcalのうち、80%に相当する2000kcal

女性→2000kcalのうち、80%に相当する1600kcal

 

それぞれ脂質から摂取します。

 

この食事療法は100年ほどてんかんの治療の一部として使われてきましたが、ここ数年で一般健常者にも導入されるようになりました。

 

ケトジェニックで一般的に言われているメリットは、低炭水化物と組み合わせた高脂肪含有量により、脂肪の酸化を刺激し、脂肪の減少を促進すること

 

ケトン体の細胞内酸化が増強され「ケトーシス」の状態になり、血清ケトン体の生理学的な代謝状態を誘発し、脂肪燃焼が高まるとされています。

 

タツ
「糖質減らして脂質を多くとると、体の燃焼の仕方が変わって痩せるよー」というものですね。

 

通常、ケトジェニックの期間は2-4週間を指します。

 

ポイント

ケトジェニックとは、体重を減らすため、または運動パフォーマンスを向上させるための栄養介入・サプリメント戦略の1つ。

1日の摂取カロリーの80%を脂質から摂取し、15%をタンパク質、残りの5%を炭水化物から摂取する食事方法のこと。

 

ケトジェニック中の有酸素運動のメリット

結論、ケトジェニックによる有酸素運動のメリットは「減量」です。

 

なぜなら、低〜中等度の強度に設定した有酸素運動であれば、脂肪酸の酸化は重要なエネルギー源になり、脂質代謝を促進するためです。

 

タツ
ケトジェニックと運動に関して、アスリートの男性を対象にした複数の研究で設定された食事パターンは以下のとおり。

 

マクロ栄養素の内訳

○脂質:73%(63-80%)

○炭水化物:7%(3.5-15%)

○タンパク質:20%(15-29%)

 

この設定で、いづれも有意な減量(体重低下・体脂肪低下)が惹起されました。

 

この結果から、アスリートにとって

 

体組成を改善するための効果的なダイエット戦略である

 

とされています。

 

更に、太り過ぎ・肥満の女性においては、減量により持久力が改善したと報告があります。

 

タツ
これらの研究の実施期間は3週間〜最大20ヶ月でした。

 

上記のような食事パターンを目安に、ケトジェニックのメリットを得ることができます。

 

ポイント

ケトジェニック中の有酸素運動の最大のメリットは「減量」である。

 

ケトジェニック中の有酸素運動のデメリット

 

タツ
ケトジェニック中の有酸素運動のデメリットは以下のとおり。

 

ケト中の有酸素運動のデメリット

○持久力運動のパフォーマンスアップは通常見込めない

○倦怠感や努力感を強く自覚する

 

筋肉・肝臓のグリコーゲン(糖質)の貯蔵量には限界がある分、理論上は脂質代謝を利用したエネルギー生成により長時間の運動には有利な側面があります。

 

しかし、ケトジェニックにより持久力運動のパフォーマンスが改善することはあまり見込めません。

 

太り過ぎや肥満の女性では体力が向上する報告がありますが、一般的に見ればむしろ、統計的に有意差は認めなかったものの、最大酸素摂取量(運動耐容能の指標)が低下します。

 

また、成人肥満男性においては、倦怠感や努力感を強く自覚するようです。

 

タツ
努力感と倦怠感の増加から、長期に渡り実践しないと脂質代謝に移行しないケトジェニックダイエットは、「長期間実施しなければ効果がないこと」がデメリットかもしれません。

 

炭水化物を抜くよりもお肉を抜く方が辛いようであれば、検討の余地はありますが、これらのデメリットを考慮する必要があるでしょう。

 

ポイント

ケトジェニック中の有酸素運動のデメリットは、①持久力運動のパフォーマンスアップは通常見込めないこと、②倦怠感や努力感を強く自覚すること。

 

ケトジェニック中の有酸素運動のやり方

タツ
ケトジェニック中の食事や有酸素運動の具体的なやり方は以下の通り。

 

ケト中の有酸素運動のやり方

① 2-4週間の期間を設ける

② 運動は低強度〜中等度の強度に保つ(有酸素下におく)

③ 食事は厳密に設定、しかしある程度の幅を持たせるのは許容する

 

ケトジェニック中の有酸素運動の具体的な方法|食事編

食事は、優先的に脂質の量を設定し、全摂取カロリーの60-80%程度にしましょう。

 

糖質は完全に断つ必要がないため、辛さの許容範囲内で調整していきましょう。

 

タツ
3大栄養素の内訳はこちら↓

3大栄養素の内訳

○脂質:63-80%

○タンパク質:15-29%

○炭水化物:3.5-15%

 

お肉の量でいったら、牛肉500gで総カロリーがおよそ1855kcal、脂質164g(1480kcal)、タンパク質72g(360kcal)。

 

茶碗1杯のお米(160g)で炭水化物が60g(264kcal)です。

 

タツ
上記の計算でいけば、脂質70%、タンパク質17%、炭水化物13%になり、成人男女の摂取量の目安の1つになります。

 

150g程度のステーキ肉を毎食食べ、かつ1食はご飯を一緒に摂ってもOKです。

 

3大栄養素の内訳は各研究により幅があります。無理なくやり切れる配分で調整していきましょう。

 

ポイント

ケトジェニック中の有酸素運動のやり方は、低〜中等度の強度で行い、食事は無理ない範囲で幅を持たせる。

 

ケトジェニックと有酸素運動の具体的な方法|運動編

ケトジェニック中に行う有酸素運動とはどのようなものなのでしょうか。

 

低〜中等度の強度となると、散歩ジョギングが該当します。

 

タツ
散歩やジョギング、いづれにおいても「有酸素下におく」ことが肝です。

 

有酸素運動の確認の仕方

① 息継ぎがしっかりできているか

② 心拍モニターを行い、<110-130に収まっているか

 

息継ぎがしっかりできている。

 

これはすなわち「しっかり酸素を吸えて、エネルギーとして変換できていること」を示します。

 

ジョギングの場合、スピードを上げすぎてしまうと息継ぎが難しくなり、これではケトジェニック中の有酸素運動としては不適切な負荷量です。

 

スピードを上げすぎてしまうことは有酸素運動初心者が陥りやすい失敗で、過去の私がダイエット初期にやってしまっていました。

 

「遅いペースだと走っていてもなんか退屈だし、運してる感もないから、いける範囲で速く走ろう!自分ならできる」

 

こう考えて5分とかで終わってしまうパターンです。

 

また、運動し始めてついスピードが上がってしまうケースも要注意。

 

一般的に息継ぎができているかを確かめることを「トークテスト」と呼び、「息が上がって音読がきない、しかし全く普通に音読できてしまなわない」ペースが、有酸素運動になっているか否かの厳密な確かめ方です。

 

有酸素運動は酸素を取り込んで「長く(ここでは30-60分程度)運動をして消費カロリーを上げる」ことがメリットですから、走り始めてリズムに乗ってきても、スピードが上がっていかないように注意してください。

 

心拍数が測定できる人は、心拍数(HR)を基準にすることも可能です。

 

その際は、110-130以上にはならないように、調整しましょう。

 

ポイント

ケトジェニック中の有酸素運動は「散歩」か「ジョギング」程度に留め、ペースが速くならないように注意する。

 

ケトジェニック×有酸素の別の視点|ランニングの効果とは

結論、ケトジェニック中のランニングにより、通常の食事をしている群と比較して、脂肪燃焼効果が高くなることが示されています

 

また、一部の報告では「糖質が50g以下のケトジェニックよりも、80g程度の緩めのケトジェニックの方が脂肪燃焼効果が上がった」とする報告があります。

 

ランニングを実践する際は、厳密なケトン食でない方が良いのかもしれません。

 

糖質が50g未満の場合を超低炭水化物食、100g未満を低炭水化物食と呼びます。

 

自分に合った方法を選ぶことが重要ですが、有酸素運動、とりわけランニングを実践する際は、後者の方が良いのかもしれません。

 

ケトジェニック中のランニングによるパフォーマンスアップの効果は、現時点で認めない(検討段階)とされています。

 

倦怠感や努力感、またケトーシスに入るのに数日〜数週、数ヶ月と期間を要すためです。

 

体組成の改善には非常に効果の高い食事療法のため、一時的にカラダを絞る期間と割り切り、長期的にはパフォーマンスが改善される効果は期待できそうです。

 

「ケトジェニックとランニング」に関しては、更に深掘りしてまとめました↓

 

オススメ
ケトジェニック中のランニングの効果とは?|安全性や注意点を解説

続きを見る

 

具体的な方法まで解説していますので、興味のある方は目を通してください。

 

まとめ|ケトジェニックと有酸素の組み合わせは短期で減量効果を狙うならオススメ

ケトジェニックと有酸素運動についてまとめました。

 

同じ総摂取カロリーでも、一般的に推奨されている炭水化物:タンパク質:脂質=6:2:2よりも脂質代謝が促せ、減量効果が得られるケトジェニックは、期限を定めて目的をはっきりさせて取り入れることで、狙った効果が期待できそうですね。

 

ケトジェニックに関する詳しい内容は、以下の記事にまとめています。

オススメ
ケトジェニックダイエットとは|方法やメリット・デメリットについて解説

続きを見る

 

「痩せたい」

「ダイエットを成功させたい」

 

そう感じるあなたへ、パーソナルトレーナーの活用は目標達成の近道であり、現実的です。

 

オススメ
返金保証あり|ダイエッターの僕がおすすめするパーソナルトレーニングジム3社

続きを見る

 

「なぜ、ダイエットは1人では難しいのか」

「なぜ、パーソナルトレーナーを活用するとダイエットが成功するのか。」

 

減量を成功させるヒントになれば幸いです。

 

それでは!

 

Pocket

-有酸素運動, 運動

© 2025 世の中からデブが消えるダイエットブログ