

なんでなんだろう。カラダにとって良いのかな。
そんな悩みに答えます。
☑️ 本記事の内容
◯ 空腹中に気持ち良くなる理由
◯ 空腹で期待される体内での良い変化
◯ 空腹状態に上手に繋げる具体的な食事
◯ 空腹における注意点
☑️ 本記事の信頼性

@steep35808479)
この記事を書いている私は、社会人以降、体重管理に目を向け、学生時代と変わらない体型を維持して7年になるダイエットブロガーです。
「短期的に体重を落とし、長期的に体重を維持する」ことを目標に、実践を重ね、BMIを20-22の範囲で調整して生活しています。
経験に基づく知識や論文の情報をベースに、網羅的に、継続性・再現性のある方法をまとめています
今回の内容は「空腹時の気持ちいい感覚と健康」についてです。
空腹時、実はカラダの中で様々な変化が起きています。
食事をある程度断つことでやってくる「空腹感」。
実際に「気持ちいい」と多くのヒトが感じるようです。
なぜ、そのように感じるのでしょうか。
ポイントを絞ってまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
空腹が気持ちいい|概日リズムとの関連性

空腹と概日リズム
空腹は明暗刺激と同様に、概日リズムに関与する。
断食は日光などの光と同様に、概日リズムの改善に寄与すると言われています。
概日リズムとは、代謝、行動等、日々のリズムのことで、ヒトでは脳の視床下部というところの、視交叉上核という部分が中心的な役割を担っています。
核心温(カラダの中心の体温)を保ったり、メラトニン、成長ホルモンなどいくつかのホルモンの生成を促します。
そして、これらがカラダの末端に信号を送り、個々の臓器がそれに応じて規則的に働く仕組みが備わっています。
概日リズムとは、生きていく土台となる機能です。

ヒトのカラダを適切なリズムで調整します。
昨今は人工光により夜の業務に従事する、余暇で浴びる(スマホ)などで、慢性的な乱れを生じさせているとされています。
概日リズムの乱れは、メラトニンやセロトニンの分泌を抑制し、うつ病や不眠症と密接に関連しているとされています。
セロトニンは「幸せホルモン」といわれ、精神を安定させる効果を有します。
空腹時(絶食している状態)に感じる気持ちよさは、この概日リズムに関連したホルモンバランスの影響からくるのかもしれません。
現代社会では「感染症の予防」を軸に、複雑な健康上の課題と解決策を見つけ、寿命を延伸させてきました。
概日リズムに着目したより良い生活サイクルの構築は、過剰なカロリー摂取を抑制し、代謝疾患を予防する一因となります。
結果、加齢プロセスを遅延させる効果も期待できるのです。
空腹で期待される体内での具体的な良い変化

絶食による体内での良い変化は実に様々なことが言われています。
絶食によるカラダへの好影響
◯インスリン抵抗性・脂質異常症・炎症性サイトカインの改善
◯内臓脂肪量の減少
◯老化中の認知機能の維持・強化(BDNFの産生)
◯筋肉量を保つ
インスリン抵抗性・脂質異常症・炎症性サイトカインの改善
→生活習慣病に絡む血液パラーメーターの改善
と思っていただければ良いでしょう。
これらの有益な効果に関与する重要なメカニズムは、代謝のスイッチが「反転」することにあると考えられています。
「代謝のスイッチが反転する」とは、糖質を摂取してエネルギーに変える通常の代謝方法から、脂肪酸由来のケトン体を生成し、代謝する方法へシフトすることです。
食後3-8時間が絶食の初期のフェーズで、2つ目のフェーズが12-18時間。
2つ目のフェーズは肝グリコーゲンを消費する時期で、これが枯渇するのが12-36時間後と言われており、ケトン体による代謝パターンに変わります。
糖質を燃やしてエネルギーに変換しているときと比較して、ケトン体を合成してエネルギーを生成している過程では、筋細胞のミトコンドリア生成と糖代謝を調整し、筋肉量を維持する可能性があることが知られています。
すなわち「太り過ぎの人の体組成の改善が見込まれる」ということ。

絶食最初の2-3日はグリコーゲンと脂肪の貯蔵から来るようです。
絶食により心配なのが、減量とともに筋肉が落ちてしまうこと。
せっかく痩せたのに、やつれてしまったのではしょうがないですからね。
そんなカタボリックも、1-2日程度ならそれほど神経質にならなくても良さそうです。
「3食しっかり食べないといけないって小さい頃は教わるけど、大人になったらむしろ、太り過ぎが社会問題だったりするから、注意したほうがいいですね。」
以前は、厳格なカロリーカットを推奨していたけど、今ではそれを応用した食事の仕方でも効果があると言われています。
食事の仕方を深掘りしていきましょう。
空腹状態に上手に繋げる具体的な食事

空腹状態にするには、摂取カロリーが消費カロリーを超えないよう、負のエネルギーバランスにする必要があります。
これまで太り過ぎのヒトに対し、6ヶ月ほどの実践を通じて、体重の減少、心血管リスクの低下、インスリン感受性の増大、ミトコンドリア機能の大幅な改善に寄与することがわかっています。
一方、これらの臨床試験において、大多数のヒトが継続し続けることが困難であることも示されています。
そこで出てきたのが「断続的な断食」。
近年、継続的なカロリーカットに代替する方法として浮上してきています。

さまざまな断食方法
◯ CR(Calorie Restriction):
継続的なアンダーカロリー。従来型。
◯ IF(Intermittent Fasting):
12 時間以上の絶食を設ける
◯ TRF(Time Restricted Feeding):
食事摂取を1日の特定の時間帯に絞る(8-12時間程度)
◯ ADF(Alternate Dat Fasting):
絶食日を作り、その日は一切のカロリーを摂取しない。翌日は無制限の食事を取り、交互に回す。
◯ADMF(Alternate Day Modified Fasting):
絶食日にはベースラインとなるエネルギー必要量の25%に抑え、翌日はご馳走。
◯ PF(Periodic Fasting):
週に1-2日だけ絶食して、残りの5-6日は自由に食べる。

(CRの1食のカロリーの目安は健常男性で500kcal程度とされます。)
「16時間断食」
「3日断食」
「月曜断食」
これら継続的な断食状態と同様に、食事時間を1日の特定の時間に制限する方法でも効果を得ることが可能です。
いづれも「断食=ファスティング」時間をまとまって作って空腹時間を確保し「代謝スイッチ」を入れることが目的と考えられています。
空腹状態は気持ちいいが注意点もある

一方、断食により効果が期待できないこともあります。
それは、スポーツパフォーマンスの向上。
ラマダン中のアスリートに、ラマダン前・中・後とサイクリングをこがせたとき、スプリント時間が大幅に遅くなっていったとする報告があります。
筋肉量に関しては、ラマダン中の数日間、筋トレをさせると、断食していないグループと比較し、脂肪量は減るにも関わらず筋肉量は維持されると報告されています。
しかし、サイクリングや長距離走等は明らかなパフォーマンスの低下を招くそうです。
ラットの研究では、そんな断食状態でも1ヶ月ほど続けることでパフォーマンスが断食をしていない群と同等になるようですが、ヒトでは当てはまらならいだろうという見方がされています。
「体組成を変える」目的では非常に有効な「空腹」ですが、スポーツをしていたり、そのパフォーマンスを上げたいと思っているヒトについては、長期的な視点で空腹状態と向き合う必要がありそうです。
まとめ|空腹時間を確保して気持ちいい健やかなカラダの状態を保とう

「空腹で気持ちいい」と感じる理由と、その実践方法についてでした。
空腹に関する医師監修の本は以下からどうぞ(ここには載っていない、長寿遺伝子、アンチエイジングに関することも詳しく書かれています)。
Reference:
Fasting, Circadian Rhythms, and Time-Restricted Feeding in Healthy Lifespan
The Role of Microbiome in Insomnia, Circadian Disturbance and Depression
Intermittent Fasting and Its Effects on Athletic Performance: A Review
Flipping the Metabolic Switch: Understanding and Applying Health Benefits of Fasting