

大会前の計測であんなに痩せて、大丈夫なの?
そんな悩みを解決します。
☑️ 本記事の内容
◯ 格闘家が行う減量の方法
◯ 格闘家が減量をどのように考えているか
◯ 格闘家の減量を一般人にも生かす工夫
☑️ 本記事の信頼性

国内・海外の論文を下に減量について考える個人ブログを運営。
腹を出さずに9年になるダイエットブロガーです。
これまで多くの減量方法を実践、試行錯誤し、20代にあった腹を出す心配がなくなりました。
今回の内容は「格闘家が実践する減量について」です。
みなさん、格闘家の減量と聞かれて、何を思い浮かべますか?
「とっても過酷」
「力が出なさそう」
「あれだけ削ったのにまだ削るのか〜」
かなりシビアな状況を思い浮かべるのではないでしょうか?
魅力的で公平な試合にするため、また体重とそれにまつわる強さの大きな違いによって生じる怪我を少しでも減らすため、格闘技(コンバットスポーツ)では体重別階級が設定されています。
そして、1対1の戦いで少しでも有利になろうと、アスリートたちは短期間の体重調整を行い、通常の体重より5-10%低いカテゴリーに出場することを目指しています。
今回は論文の情報をベースに、どのように減量をして計測に臨むのか、その際にアスリートたちはどのように考えているのか、解説していきます。
否定的な側面のみでなく、肯定的な側面も多々あり、一般の方にも参考になる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
格闘家(技)が行う減量の方法|格闘技では必須

いきなりですが、格闘家が行う減量の方法について。

格闘家が行う減量方法
① 段階的なダイエット
② 運動の増加
③ 水分制限
レスリングやテコンドーでは「食事を抜く」ことが最も多く、その他「暖房付きの部屋でのトレーニング」や、「強制的に唾液を出す」ことも多用しています。
「昔のアニメとか、よく出てくる光景でイメージしやすい。」
「現役アスリートの密着取材で時々見られるなぁ」
「サウナや水分制限」、「ゴムやプラスチックで動きが制限されるスーツを着用してのトレーニング」なども挙げられています。
競技の2〜3週間前から運動と食事を調整し、体重測定の4-5日前から更にこのバランスを崩し、運動量アップ、食事量ダウンを図って、ダイエットを強化していきます。
測定24時間前から一切食事や水分を摂取しないとする格闘家もいます。
これら、急速な減量計画は、カラダにとってマイナスな側面があることも事実です。
ポイント
格闘家は自分とって有利な階級への登録のため、ダイエットを段階的に取り入れ、かつパフォーマンスは維持・向上させる必要がある。
格闘家(技)における減量の負の側面


格闘家が行う減量の負の側面
◯ 体温調節不良
◯ 心血管機能・代謝機能の低下
電解質異常が生じて「つりやすい」
グリコーゲンが枯渇して「力が出ない」
など、パフォーマンスに欠かせない栄養素が失われるリスクを背負います。
更に、アスリートの心理状態にも悪影響を及ぼします。
「緊張・怒り・疲労・混乱」を増し、「活力が低下する」事態を招きます。
単にダイエットをするより、力が出にくい体の内部の状態の中、パフォーマンスは最大化しなければいけないわけですから、相当に過酷なことが伺えます。
長期的に続けることは更なる悪影響を及ぼすため、あくまで「一時的」な対応策として許容されています。
ポイント
格闘家の減量はパフォーマンス悪化を招くリスクがあり、長期的な実践は不可能。
格闘家(技)が減量をどのように考えているか

このように「急速な」減量行為は、本来であれば不適切な栄養戦略が加わりやすく、運動能力や健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
しかし、アスリートへのインタビューから明らかになった事実は、意外にも体重調整に肯定的な側面があることでした。
格闘家が行う減量の肯定的な側面
◯ スポーツアイデンティティの形成
◯ 精神的転換
◯ 精神的なアドバンテージ
減量の実践が「本物のアスリートである」とする自己イメージの形成に役立つというのです。
更に、集中力と結果にコミットしようとする感覚を生み出し、対戦相手に対する精神的なアドバンテージが養われるとアンケートに答えています。
格闘家の減量には「物理的に体重を減らす」という一般的な想像を超えた「精神面における重要性」が機能していることがわかっています。
以下、アンケート結果の抜粋です↓
ー 大会前に体重を減らさないと、試合に出られない気がするので、大会前に数キロ痩せるのはいいことだと思います。体重が減らないと、自分がどこにいるのかわからないような不安を感じます。体重を減らすと、今が勝負の時だと感じます。私は競争する為の準備、大会に向けた準備を進めています。減量しないと大変だなんて、ちょっと変な感じです。
ー 「体重調節」にも良い効果があると感じています。少なくとも私は「競争の」時期が近づいているという事実にさらに焦点を合わせたいと思うようになり、集中し始めます。減量を何らかの方法で行うというのが、プロセス全体の一部です。
ー 自分がすべてを成し遂げたことに疑いの余地がないということを知ることで、自分自身に満足することができます。そのように、不健康なものを切り詰めたときに、何らかの形で身体的に気分が良くなるという理由だけで、その部分にも非常に厳格であれば、非常に良い気分になれます。
ー 体に何を入れるか、何をするか、運動について考える必要があるため、体重を減らすと、まるで優位に立っているかのように感じます。
インタビューを分析すると、体重調整の実践はアスリートにとって「自己規律」と「コントロール」の属性があることがわかります。
競技前の段階で自信を高める1つの方法は、「競争する相手との比較において、一致すること」です。
また、減量により1階級上がったため、体重調整を行う必要がなくなっても、限界のカテゴリーに入れないか、もう一段階下げられないか、という欲求が生まれるそうです。
元全米大学スポーツ協会チャンピオンは、
「減量は精神的なゲームである」
と表現しています。
格闘家(技)の減量を一般人がどのように捉え、生かすか

健康とパフォーマンスに影響を与える研究では、カラダは脱水によって4%未満の短期的な体重減少には耐えうるとされ、適宜栄養や水分補給をすることを提案しています。
体重毎の4%のイメージ
50kg→約2.0kg
60kg→約2.4kg
70kg→約2.8kg
低い水分状態では、筋力低下、パワー、高強度持久力の低下に繋がります。
こういった否定的な側面を抑えつつ、「精神的な恩恵」を享受するチャンスを掴んでいくことが重要と考えられます。
「1度決めたら何がなんでもやり抜く」
「ちょっとやる気が出ない、モチベーションが上がらないと言っていないで、やると決めたらやる」
アスリートが体重調整について議論をする際によく使う言葉の1つに「文化」という言葉がありました。
減量がスポーツの伝統と文化に密接に関連し、減量がそれらの一部であると信じているのです。
この文化的背景には、スポーツにしばしば存在する「帰属感」を生み出します。
ダイエット環境における心理的な他者とのつながり、自分がそこに含まれ、ありのままの自分が尊重された個人としての認識が得られ、スポーツ心理学では「安心感」につながるとされています。
このように考えると、ダイエットにおける適切な食事制限や運動習慣の確立は、単なる「外見上の美しさ」や「健康的な生活習慣の獲得」が手に入る側面のほか、「帰属意識」や「精神的優位性の確立」といった内面上の側面を強く感じさせていき、生きていく上での「励み」につながるのではないかと考えられます。
減量、ダイエット、健康維持を「継続」する理由に十分なりえます。
アスリートの場合、適切な減量はチームメイトやコーチから、公然の場で「賞賛」されます。
ー 多くの人は、彼が体重を減らしていることを見下しています。ただ、彼は利益を得ようとするだけです。そう、彼はアドバンテージを得ようとしますが、見る側は体重を減らすほど誰かを尊重する必要があります。なぜなら、もしあなたがそれを以前にやったことがあるなら、それがどれほど難しいかを知っているからです。そして、それは多くの時間が費やされ、 時間がかかります。減量はつまらないものなので、誰もがそれをしているわけではありません。
ー 空腹は鋭さを保つと思います。私が考えているのは戦いのことだけです。
「ダイエットは人と比較しないこと」
「たった1日失敗したからといって、太るわけではないということ」
精神的に「タフ」なヒトは「高い自信と、自分の運命をコントロールできるという揺るぎない信念を持ち、競走や逆境に比較的影響を受けない」とされています。
一般のダイエッターにも、こうしたメンタルコントロールは、大いに役立つのではないでしょうか。
格闘家の減量を一般人が生かすためには

とはいっても、一般人が同じ方法を真似するには限界があります。
先ほど示した通り「健康とパフォーマンスに関する研究においては、脱水によって4%未満の短期的な体重減少には耐えうる」とされているため、短期的な減量をする際の目安にしましょう。
50kg→約2.0kg
60kg→約2.4kg
70kg→約2.8kg
あくまで水分が抜けても大丈夫な値であり、水分自体は一時的に減ってもすぐ下に戻るため、本質的な「脂肪を落とす」ことも実践する心構えが大切です。
脂肪を落とす本質的な方法は「食事の見直し」です。
加えて、適度に筋肉を保つ、もしくはつけるために、筋トレを実践する必要があります。
「やっぱ減量の本質に目を向けると辛いな。。」
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まとめ|格闘家(技)の減量時の精神状態を参考にしよう

「好きなものを好きなだけ食べていたい」
「ぐーたらただ休んでゲームをしていたい」
そう感じつつ、理性的に行動を見直して実践することで、小さな積み上げとなり、大きな成果となって実を結びます。
減量はすぐに成果が出るわけではないので辛いものですが、「1人だ」と思わずに、達観して努力を重ねていきましょう。
それでは!
Reference:
Stefan Pettersson et al., Practices of Weight Regulation Among Elite Athletes in Combat Sports: A Matter of Mental Advantage? 2013