

ワットは何を意味しているの?
こういった疑問に答えます。
☑️ 本記事の内容
○自転車エルゴメーターに表示されるワットの意味
○自転車エルゴメーターのワットから運動強度を予測する
○AT、最大酸素摂取量との関係性
☑️ プロフィール

@steep35808479)
国内・海外の論文を下に減量について考える個人ブログを運営。
腹を出さずに8年になるダイエットブロガーです。
これまで多くの減量方法を実践、試行錯誤し、20代にあった腹を出す心配がなくなりました。
今回の記事では、自転車エルゴメーターのワットに関して解説していきます。
自転車エルゴメーターはエクササイズに最適な種目の1つです。
エルゴメーター をこいでいるとモニターに表示されるいくつかのパラメーター。
その中で、今回は「Watt:ワット」の意味と、どう解釈するのか、ポイントを絞ってまとめましたので、是非最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
自転車エルゴメーターのワットが意味しているものとは?

エルゴメーターをこいでると表記される「〜W(Watt:ワット)」。
負荷を上げ、こぐスピードを上げていくと消費率(1時間当たりのカロリー消費)の値がどんどん上がっていきます。

「ワットって運動強度??」
運動強度を間接的に表してはいますが、正確には運動強度そのものではありません。

ワットの計算式
W=トルク(N・m)×ペダル回転数÷9.5
トルクの表記はエルゴメーターの種類によって記載が異なり、「Nm」か「kgm」で表されています。
「Nm」で示されていれば上記の式のまま、「Kgm」で示されていれば「×10」が必要です。

「W(ワット)」の意味は、「1秒間にできる仕事の大きさ」です。
ポイント
Watt(ワット)とは「1秒間にできる仕事の大きさ」のこと
言い換えると「仕事率」です。
運動強度とは言いません。なぜなら「物体に力を加えている」からです。
自転車のペダルに力を加えて算出している数値であり
「ある重さの物体を、どれだけの時間で、どれだけの距離を動かせるか」
を示しています。
馬力とトルク
馬力がある=スピードがある
トルクがある=より重いものを動かせる
ペダルには中心軸があり、ペダルの長さによってこぎやすさが異なりますよね。
ペダルが中心軸から離れていると、同じ負荷でも軽い力でこぐことができます。
中心軸にかかる負荷を設定し(N)、ペダルの長さ(m)によって、トルクが算出されます。
これが、「Nm」の単位の本質です。

子供用の自転車など。
から漕ぎしているみたいになります。
ギアを上げると1回転あたりの負荷が上がるので前には進みますが、非効率的です。
トルクの単位は、1993年以前は「kgm」でした。1993年以降、「Nm」となりました。
質量「kg」に力の概念を入れて、「kgf」(物体にかかる単位)。
その力に対し、長さmを乗算して、回転を生み出す力として「kgf・m」としています。
Nも力の単位ですので、mを乗じて「Nm」と表示されています。
kgfとNm
1kgf・m=9.8Nm(約10Nm)
1Nm=0.102kgf・m
上の式と下の式は意味は全く同じです。
先の式で「×10」していましたが、正確には「×9.8」

ペダル、仕事の概念を理解するには、このような単位、数値が出てくるんですね。
以上のことから、「1秒間にできる仕事の大きさが仕事率=ワット(Watt)」となるわけです。
ポイント
「1秒間にできる仕事の大きさ=仕事率=ワット(Watt)」
ちなみに仕事の単位は「J(ジュール)」です。
J=力の大きさ(N)×移動距離(m)
トルクの単位としてNmは先に出てきましたね。
仕事率(ワット)は言い換えると、「1秒間に何Jの仕事をするか」なので、以下の式が成り立ちます。
W=J×かかった時間(s)
懐かしいような理科の式たち...カロリーも計算できますが、もう割愛しますね。
実際にエルゴメーターを使用している場面では、「Nm」と(もしくは「kgfm」)、その抵抗をどのくらいのスピードで漕いているか(rpm:1分辺りのペダル回転数)が重要です。
エルゴメーターのワット数から運動強度を想定する

自分で数値を読み取って運動強度がどの程度か判断することは、十分可能です。
なぜなら、誰でも最初は、各パラメーターを計算して強度設定に役立てることはできないからです。
私自身も、エルゴメーターを使って指導を始めたとき、知識が0だったので、運動強度を明確に規定できませんでした。
ここまで読んだ方は、もしかすると
「うまく調整してあげたいけど,いろんなパラメーターを見なくてはいけないから大変だな・・・」
そう思うかもしれません。
しかし、問題ありません。
私も苦労しましたが、しっかりと関連づけができれば、しっかりと理解することが可能です。
繰り返しですが、ワットを使った指導経験0でも問題ありません。

ワットから想定される運動強度
30w:3.5METs
90-100w:6.8METs
161-200w:11METs
METsは体重も規定因子の1つのため、一概に上記の値とは言い難いですが、目安として参考になります。
運動強度に関する詳細な情報は下記記事から↓
-
-
運動強度(メッツ)の概念を徹底理解|カロリー計算を詳細に捉えよう
続きを見る
自転車エルゴメーターのワットとAT / 最大酸素摂取量との関係性

今回は「エルゴメーターとワット」をテーマに、運動強度の調整の話も含め、まとめました。
色々なパラメーターが一度に出てきて混乱すると思います。
過去のブログでMETsや身体活動、有酸素運動に関する記事をまとめています。
用語の整理は大切です。しかし、いづれの言葉やパラメーターを用いたとしても、結局のところ「個人にとっての最適な負荷量はどのくらいなのか?」がポイントです。
ここがわかると、持久力をつけたいのか、瞬発力をつけたいのか、筋肉をつけたいのか、運動の目的が明確化し、設定内容が明確になります。


エルゴメーターで測定した日本人のATポイント、最高酸素摂取量と、それぞれの低下が示す重症度です。
上の表の値は酸素の値で、単位は「ml/min/kg」。これは、体重1kg辺り1分間に○mlの酸素を利用する、ということです。
運動強度の記事も参考にしながら、ワットとメッツ、酸素摂取量について考えてみてはいかがでしょうか。
-
-
運動強度(メッツ)の概念を徹底理解|カロリー計算を詳細に捉えよう
続きを見る
それでは!