

褐色脂肪細胞とダイエットの関係性について知りたい。
そんな悩みを解決します。
☑️ 本記事の内容
◯ 褐色脂肪細胞とは
◯ 褐色脂肪細胞が体内にある場所
◯ 褐色脂肪細胞とダイエットの関係性
☑️ 当記事の信頼性

@steep35808479)
この記事を書いている私は、医学系大学院に進学し、学生時代と変わらない体重を維持して7年になるダイエットブロガーです。
「短期的に体重を落とし、長期的に体重を維持する」ことがテーマです。
「短期的に体重を落とす」=「1ヶ月で3kgの減量。週2-3回のジムトレ、週3回の1時間のランニング」
「長期的に体重を維持する」=「学生時代60-63kg → 現在58-62kg」
経験に基づく知識や論文の情報をベースに、網羅的に、継続性・再現性のある方法をまとめています。
今回の内容「褐色脂肪細胞とダイエット」に関してです。
「褐色脂肪細胞は肩甲骨周りによく付着する。」
「褐色脂肪細胞は脂肪を燃やしてくれ、ダイエットの味方だよね。」
褐色脂肪細胞とはなんなのか、なぜダイエットの味方なのか、解説していきます。
専門的な情報を噛み砕きながら、シンプルにまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
褐色脂肪細胞とダイエット|褐色脂肪細胞とは?

褐色脂肪細胞(Brown adipose cell)とは、熱を発生させるために脂質を燃焼させ、エネルギーを発生させる細胞です。
褐色脂肪細胞の働きによって、正常体温を維持し、肥満を防ぐ効果が期待できます。

褐色脂肪細胞は、豊富なミトコンドリアを有し、蓄積されたエネルギーを熱の形で放散させる能力があります。
ミトコンドリアは、酸素を利用してATPを産生し、エネルギーを生む物質です。
体内の脂肪は、全身のエネルギー生成と、血糖値が安定するように調整する中心的な役割を果たしています。
また、内分泌機能として、多数の生理活性物質(アディポカイン)を生成しています。
脂肪細胞が分泌しているもの
◯ アディポネクチン
◯ レプチン
◯ レジスチン
◯ ケメリン
◯ アぺリン
など
レプチンとアディポネクチンは、脂肪細胞ホルモンとして知られるアディポカインであり、エネルギー恒常性の調節に重要な役割を果たします。
褐色脂肪細胞は、普段耳にする白色脂肪細胞とは異なります。

体内で「よろしくない」と言われているのが「内臓脂肪」
体内で「よろしい」と言われているのが「皮下脂肪」
褐色脂肪細胞・皮下脂肪・内臓脂肪ともに体内に余分に蓄積された物質に捉えがちですが、実情はさまざまな機能を持っています。
ポイント
褐色脂肪細胞とは、熱を発生させるために脂質を燃焼させ、エネルギーを発生させる細胞である。
褐色脂肪細胞は肩甲骨周囲に存在する

褐色脂肪細胞は、ヒトの場合「肩甲骨の間」「首」「胸腔」「腎臓周囲」によく存在するとされています。
「褐色脂肪細胞の働きを良くするために肩甲骨をよく動かすと良い」
と聞くのは、そのためです。
通常、褐色脂肪細胞は乳幼児によく見られ、大人になるとその数が減っていきます。

大人では、脳活動や筋肉など、カラダの至る所で熱を発生させ、「基礎代謝」として男性でおよそ1500kcalほど、1日に消費します。
しかし、大人でも褐色脂肪細胞が完全になくなることはなく、肩甲骨周囲や内臓などに存在し、「低温下」で活性化するとされています。
ダイエットに関していえば、環境面での工夫が大切です。
ポイント
褐色脂肪細胞は、ヒトの場合、肩甲骨の間と腎臓周囲に存在する。
褐色脂肪細胞とダイエットの関係

脂肪細胞は可塑性があり、代謝の変化に応じて「サイズ」「数」を変化させることができます。
栄養過剰は脂肪細胞のサイズの増大を招き、空腹は脂肪細胞の量を減らす作用を有します。
脂肪細胞を減らす別の方法として「褐色脂肪細胞の数を増やす」ことが挙げられます。

脂肪細胞を減らすには
脂肪を減らす方法は「空腹」もしくは「体温を下げる」
肩甲骨周りの運動をして褐色脂肪細胞を刺激することも大切ですが、体温が高い状態では褐色脂肪細胞の働きが乏しくなるため「体温を下げること」が大切です。
「細胞を刺激するためには、よく動かせばいいのかな」
そう思いがちですが、褐色脂肪細胞の働きをシンプルに捉えるとすると、運動<体温調整の優先度を考慮していきましょう。
寒い環境下では、交感神経の活動の高まりに応じて褐色脂肪細胞の活動が活性化し、体温調整に役立ちます。
ポイント
肩甲骨周囲に付着する褐色脂肪細胞を刺激するためには、カラダを冷やすことが大切。
褐色脂肪細胞×肩甲骨とは別の視点でダイエットを捉える|ベージュ細胞とは

余談ですが、脂肪細胞は、「白色脂肪細胞」「褐色脂肪細胞」のほか「ベージュ細胞」が存在します。
白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の中間に位置するとされ、両者の特性を持ち合わせた細胞です。
褐色脂肪細胞のような「豊富なミトコンドリア」を有し、熱産生に寄与するのです。
ベージュ細胞は主に皮下脂肪の中に存在するとされ、白色脂肪細胞とベージュ細胞は相互交換関係をもっています。
白色脂肪細胞→ベージュ細胞への変換は、低温やその他の刺激
ベージュ細胞→白色脂肪細胞への変換は、加温や高脂肪食の摂取などで発生
ベージュ細胞も「低温」がキーワード。
脂肪細胞に関する研究が更に進むことで、各細胞の変換過程や操作方法が解明され、ダイエットを適正化させるアプローチ方法が見つかるかもしれません。
今カラダに付いているお腹周りの脂肪(白色脂肪細胞)の中に、ベージュ細胞が潜んでおり、カラダを低温にさらすことで、減量作用を高めることができます。
ポイント
ベージュ細胞は皮下脂肪の中に存在し、寒冷下でエネルギー消費を促す。
まとめ|肩甲骨にある褐色脂肪細胞を刺激して、ダイエットを促進させよう

褐色脂肪細胞と、肩甲骨、ダイエットに関する内容でした。
「脂肪には白色、褐色、ベージュの3種類があるんだな」
「褐色脂肪細胞は熱を発生させ、ダイエットを促進させるんだな」
脂肪細胞にも「良い脂肪」と「悪い脂肪」があるため、区別して理解していきましょう。
それでは!
Reference:
Liping Luo and Meilian Liu. Adipose tissue in control of metabolism. 2016
Lavanya Vishvanath and RANA K. Gupta. Contribution of adipogenesis to healthy adipose tissue expansion in obesity. 2019
Tongxing Song and Shihuan Kuang. Adipocyte dedifferentiation in health and diseases.2019