
ダイエットを調べると「オートファジー」ってワードが出てくるけど、何?
細胞が生まれ変わるの?
よくわからない。
オートファジー、それは「細胞が自分自身を食べて老廃物を再利用すること」です。
☑️ プロフィール
国内・海外の論文を下に減量について考える個人ブログを運営。
腹を出さずに9年になるダイエットブロガーです。
これまで多くの減量方法を実践、試行錯誤し、20代にあった腹を出す心配がなくなりました。
冒頭から「あれ?専門的な話?」と思われそうですが、つらつら専門用語を並べるつもりはありませんので、ご安心を。
オートファジーとは、Googleで調べると「飢餓状態を生き抜くために自己消化することで栄養源を確保すること」と出てきます。
やっぱよくわからないですね^^;
ダイエットと関連したオートファジーは、おそらく
「絶食することで細胞にスイッチが入ってカラダよく動く。絶食は素晴らしい。」
といったニュアンスでしょうか。
空腹が健康に良いと言われ、私も実際に16時間断食をしてるのですが
「結局オートファジーってなに?」
「筋肉は落ちないの?」
と疑問に思ったため、論文も調べ要約してみました。
ぜひ、最後までお読みください。
それではよろしくお願いします。
Contents
オートファジーと筋トレの両立、その前に|オートファジーとは
オートファジーとは、老化、細胞生成過程で生じたエラーにより、損傷した細胞小器官を除去する機能です。
「細胞が自分自身を食べて老廃物を再利用すること」とも言われます。
古くなった、不必要な細胞と、新しい細胞の中にも一部含まれる不要な細胞、これらの除去を「オートファジー関連遺伝子(Atg)」が関与して、一連のプロセスでもって除去するのが「オートファジー」というそうです。

がん細胞が典型例。がん細胞は「異常増殖するっきりで減ったりしない」ため、カラダに悪さをしてきます。

異常な細胞増殖を抑制するのに「アポトーシス(細胞自殺)」という調節システムがあります。
アポトーシスとは
細胞が自ら死ぬこと
大学などの講義で聞いたことがあるヒトもいるかもしれませんが、オートファジーはその反対。
「自食」の過程をたどります。
不要な分を食べて除去してくれるのが、オートファジー。

オートファジー研究は、1956年にラットで開始されました。
以降、30年くらい研究が沈黙するのですが、1981年に新しい知見とともに再燃し、2016年にこの分野でノーベル医学・生理学賞を日本人が受賞します。

オートファジー研究にはまだ未解決の問題が山積しています。
その一つの理由は、依然として生化学的な解析が容易でないことに起因しています。
従って遺伝子と表現型の間のブラックボックスを埋める作業が必要です。
まだまだ発展が期待される領域ですが、いくつかの研究がヒトを対象に実施されているのも事実。
次に、ダイエットに焦点を絞って話を進めていきましょう。
筋トレと両立するためのオートファジーの役割
オートファジーは常に働いている体内の機能の1つですが、「ストレス環境下」にさらされると活性化することが明らかにされています。
具体的なストレスとは「絶食」。
空腹状態になることでスイッチが入り、オートファジーが盛んになるというもの。

この事実が明らかにされて以降「絶食が素晴らしい」と空腹の良さが再認識されるようになりました。
持論を話すと、古くから「粗食は健康に良い」ということは知っていたし、代表例だと「寺の住職さん」は粗食だったし、それでいて「長命」なので、科学が後から追いついてきたといった印象を受けています。
まあ、実践できるかどうかは置いといて。。。
いづれにしても「食事量を減らして体内を空っぽにすることで、体内の自食機能、すなわち「オートファジー」を惹起させることができるよ」ということです。
ここでダイエッター、ボディメイクをしてるヒトが瞬間的に感じること。
「絶食にしたら体内の筋肉が削がれる」
「アミノ酸血中濃度を一定に保たないと筋肉が減るんだから、定期的にプロテインを飲むなりした方がいい。空腹は悪。」
という意見。
現にプロのボディビルダーは食事回数を増やし、かつタンパク質摂取量を維持して「新しく筋肉をつけ、かつ維持する」ことを習慣化しているわけですから、体内の血中アミノ酸濃度を一定に保つ重要性はいうまでもありません。
「オートファジーを意識した生活をすると筋肉は減るのか?」
ここからは、研究データをみながら「絶食」「空腹」と「ボディメイク」について意見を述べていきたいと思います。
筋トレとオートファジーを両立したい|現在の研究結果が示す良さと問題点
以下、研究結果を示していきます。
BMI25-35の20-45歳の一般肥満健常成人11人を募った試験で、8-14時まで食事を済ませた群(断続的断食群)と、8-20時までに食事を済ませた群(コントロール群)で比較した場合、断続的断食群ではコルチゾールの分泌パターンを整え、血糖値を改善させ、概日リズム、オートファジー機能を増加させた。
ーHumaira Jamshed,et al., 2019
つまり、16時間断食を行うとオートファジー機能が活性化し、種々のパラメーター(ストレスホルモンや脂肪生成ホルモンの改善)に効果的ということがいえます。
40-76歳の約30名のエリートアスリート男性を募った研究では、筋トレと短距離走トレーニングをした群と通常の日常生活を送っていた郡で比較した場合、オートファジーマーカーとして頻繁に使用される「LC3-Ⅱ」が高かった。
ーJaakko Hentilla, et al., 2020
こちらは絶食をテーマにはしていませんが、運動してると「オートファジーが活性化するよ」という結果を示しています。
オートファジーをヒトで実践した研究はあまり多くなく、少なくとも「オートファジー機能が体重減少に関連した」という結果は示されていないようです。
おそらくオートファジーで体重が減ったとされる理由は「オートファジーを活性化させるために絶食を行い、それによって引き起こされた低カロリーによって、ダイエット効果があった」ということであって、「オートファジーだから体重が減る」という結論には現時点ではならないと考えます。
引き続き、減量には「カロリー制限」が必要で、筋肉維持には「タンパク質摂取が必要」と思われます。

特に病気を抱えない健常者は、結局アンダーカロリーが大切だし、タンパク質摂取が大切ということなのかなと考えられます。
ただ、オートファジーが活性化することで「コルチゾールの分泌が安定した」研究結果が示されているため、筋肉が削がれるとかあまり気にしないヒトは、「16時間」に着目してオートファジーの機能を享受するのはアリかもしれません。
まとめ|オートファジーと筋トレは両立可能
以上「オートファジーと筋トレの両立」について解説しました。
まとめ
オートファジーとは不要な細胞を自食する機能のこと
オートファジーの活性化は16時間の絶食によりもたらされる
筋トレをすることでオートファジー機能が活性化する
まだまだ研究段階な領域!
試行錯誤を繰り返し、カラダの反応をみながら自分なりの「生活パターン」を見つけてみてはいかがでしょうか。
それでは!
Reference:
Can, Weiya., An overview of autophagy: Mechanism, regulation and research progress. 2021
Humaira Jamshed, et al., Early Time-Restricted Feeding Improves 24-Hour Glucose Levels and Affects Markers of the Circadian Clock, Aging, and Autophagy in Humans. 2019
Jaakko Hentilla., Sprint and Strength Training Modulates Autophagy and Proteostasis in Aging Sprinters. 2020